●下見
ロケ先が決まったら、次は下見です。
下見の目的はまずは先方へのご挨拶、ロケ内容の説明、
準備してもらうものの確認、立地や撮影ポイントの確認などが主な目的です。
そこで何が撮れるのか、どこにカメラを置くのか、どんなお話を聞くのかなど、
構成を立てていく上でとても重要な作業になります。
実際にお会いすれば先方のキャラも分かるので、
ノリがいい方、悪い方などによってもロケ内容が変わって来ます。
ロケ地が遠方の場合や時間的な制約上下見が出来ない場合は、
電話などで打ち合わせをするしかありません。
●ロケの準備
続いてロケスタッフの手配です。
出演者の数やロケ先の環境(屋外、屋内、動きがあるかなど)により、
スタッフの人数や機材が異なって来るので、技術スタッフなどとと相談しつつ、
そのあたりを詰めていきます。
●ロケ台本
ディレクターにもよりますが、ロケ台本を作る人もいます。
ロケ台本とはロケのスケジュールをはじめ、
先方とのやり取りを含めた内容が書かれたもの。
ロケ内容とは例えばこんな感じ。
例)
レポーター : このお店に激辛メニューがあると聞いたんですが?
店主 : はい、実はこれなんです!
レポ : え~~!辛そー!
店主 : この激辛ラーメンは唐辛子を○個使った当店自慢の一品です。
レポ : 食べて感想・・・。
ここまで書かない人もいますが、几帳面な人はこんなやり取りまで書きます。
そこでどんな事を聞きたいのか、何を見せたいのかなどを詳細に書くんです。
ロケ当日、または事前にレポーターなどの出演者やスタッフに手渡し、
そのロケの主旨をスタッフで共有する事が大事です。
ただし、驚きがあるものなどは、あえて出演者には教えず、
その場で本当にリアクションしてもらった方がいい場合もあるので、
そのあたりは臨機応変にします。
演技派の人は本当は知っていても初めて知ったかのような
リアクションが出来ますが、そういうのが苦手な人、
どうしてもわざとらしくなってしまう人などもいますからね。
ディレクターはロケ台本を書きながら、おおまかな構成を決めます。
“おおまかな”というのは、後々その構成が変わる可能性も含んでいるから。
とりあえずロケに出る前の段階での構成を決めます。
構成を考えておかないと、ロケ後にあれを撮ってない!
という後悔をする事にもなりかねませんので。
どの仕事にも共通しているかもしれませんが、
テレビを作る仕事というのも、完成形からの逆算で考えるのが基本です。
何を伝えたいのか、どのようなスタンスで見せたいのかを想像し、
そのためにはどんな映像が必要なのか、どんなコメントが必要なのか、
というように発想していくと、分かりやすいですよね。
もちろん何が起こるか分からないようなロケの場合はその逆で、
ロケで撮れたものを眺めて、それをどのように組み立てていけばいいのか、
という考え方をしていきます。
とにかくロケで撮り逃しがあってはならないので、ディレクターはロケ前に脳みそを使いまくって、
様々な事態を想定して考え抜くんですね。
ディレクターというのはとにかく考える力、想像力、企画力、
コミュニケーション能力、さらにセンスも大事なんです。
~~つづく~~